ヒーロー フロム ザ アトランティス
日米の首脳陣は作戦を立てていた。
「C国は先のロスオリンピックから参加しているアジアの小王国だ。オリンピックには少人数参加させるだけで、もちろんメダルはおろか入賞さえもしたことはない。いや、入賞する気などハナからないのだ。彼らの目的は国の財力の90パーセントを占めている軍事物資貿易のための参加各経済国へのコネクションだ」
「バルセロナのオープニングセレモニーには、C国の皇太子も招待してありますな」
「さよう、こうなったら皇太子を誘拐して内密に人質交換と行きましょう」
コンピューターゲームを装った暗号通信でワシントンと東京の意見がまとまった。
日米とも表向きはそれぞれヒーローを担ぎあげ、バルセロナに向けて最後のアピールを掲げていた。