ヒーロー フロム ザ アトランティス
陸ではテレビ局と救急隊が、先を争って海上に注目していた。
「どうやら、救助しているのはアメリカの競泳チームのハク・ミラー選手と日本のスイマーの徳川太郎選手の模様です。しかし、スピードが異常に速すぎる!まるでスピードボートのよう、いやそれ以上ですっ!!」
リポーターが興奮して叫んだ。
「駄目だ、人数が多すぎるよコク兄さん」
ハクが悲鳴をあげた。
「最後まで諦めるな、ハク!」
コクは弟を勇気づけた。
その時、海面に無数のさざ波が起き、数百人の人魚達がイルカやシャチ、そしてクジラを引き連れて現れた。
またたく間に残りの人々が救助されていった。