ヒーロー フロム ザ アトランティス
コク・ハク、ふたたび
日本の少女が14歳で史上最年少金メダリストに輝いてから4年の月日が過ぎ、合衆国アトランタで記念すべき第百回のオリンピックが開催されようとしていた。
ギリシャ選手団の入場行進から始まって、開催国のアメリカ選手団がしんがりを努めていたと思いきや、今大会はアメリカの後にまだ選手団が控えていた。
「皆さん、ここオリンピックメインスタジアムにエキシビジョンのみではありますが、新顔チームが仲間入りしました。4年前のバルセロナの海上事故で大活躍した、アトランティスのメンバーです。彼等に救出された世界のVIPの働きかけで、一万二千年ぶりに同じ地球人がスポーツという神聖な競技のもとフィールドでがっちり結ばれるのです。特に4年前に核の実験及び保有を永久に禁止した、C国のハルクン皇太子の呼びかけが大きく影響しています。世界記録を何度も塗り替えあったコクとハク兄弟の顔が見えます。美しい女性選手もおります。まるでマーメイドです。いや、本物のマーメードでした。そう、まさに地球が一つとなって今大会は特別意義のあるものとなるでしょう!!」
アナウンサーの興奮する声がフィールド中に響き渡り、そして世界中を繋ぐ電波に乗った。
コクとハクは行進しながら観客席のミラー夫妻と南田一家に向かって手を振った。
ジャックはそれに応えながら嬉しそうに叫んだ。
「ワシの孫だ、必ず金メダルだぞ!」