real love 今。



「美加?どした?」


少しかがんであたしの顔を覗き込む。


涙ぐむあたしを見て、わざと小声で心配してくれた。


鋭い日菜は、きっと翔大がらみだって察知したんだろう。




「全然大丈夫♪」

って、笑顔を作る。

日菜は一瞬寂しそうな顔をして、『そっか♪』って笑った。



日菜が可愛いって言われただけでこんな風になるなんて、
翔大に彼女ができたら…


考えたくもなかった。



「美加、もー帰るみたい〜」


少し先を歩いていた日菜が、くるっと振り向いてあたしに聞こえるようそう言った。



「あ、うんっ」


急いで日菜に追いついて、はぐれないように駐輪場へと向かった。






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