real love 今。
海沿いの小さな、臨時の駐輪場。
ずらーっとならぶ同じようなチャリに嫌気が差す。
ぎられてませんよーに!
そんなことを願いながら日菜と一緒に鍵をつけたチャリを探した。
「みーっけ〜♪」
反対側の通路でそう叫んだのは翔大。
なにげなく振り返ると
「今道路まで出すから待ってろ」
って、何がなんだかわからないまま
『チャリ鍵!』って言われるがまま、翔大に鍵を投げた。
「ほいっと!」
がしゃん、と歩道の段差を2台のチャリが超える。
暗闇でもわかりやすい、日菜のピンクのチャリと
あたしのお気に入りのオレンジのチャリ。
「早く帰んないと襲われるぞー?
…あ、山中は大丈夫か♪」
「はーあ!?」
冗談混じりに言った翔大は足早に自分のチャリを探しに行った。
「………ありがと」
ばかだな。
自分のより先に探すなんて。
こんなにいっぱいある中からさ。
これ以上好きにさせて…一体何がしたいのよ?
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