real love 今。
「…ってか、俺和と二ケツで来たんだった。」
「あ、そうな…
て、え!?」
あたし、和帰しちゃったよ??
「しゃーねぇ、バスで帰っかなぁ」
鍵を器用に指でくるくる回しながら、のん気に呟く。
天然てゆか、なんてゆーか。
これで1ミリも焦った様子がないのが逆に怖いわ!
「…あたしのチャリ、乗る?」
断られたら、それでいーや。
なんだか今日のあたしは、怖いもの知らずな気がする。
「あ、嫌ならぜんぜ…」
「言っとくけど、俺の後ろ乗ったら惚れっから〜♪」
へ?
あたしの右手からするっと鍵を奪い取って、停めっぱなしのオレンジのチャリへと走った。
「ちょっとしょーたー!」
…とっくに惚れてるんですけどね?
なんて喉まできた言葉をぐっと飲み込んだ。
真っ暗な夜の海に、工場なんかの光が反射して
怖いくらい輝いていた。
その灯りだけを頼りに、翔大の後を追った。
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