天国からのメール
聡がニヤニヤしているところに、突然和樹が現れる。


「お前、何ニヤニヤしてんの?」


眉をしかめて和樹が言う。


「なんでもねぇよ!」


慌てる聡。よく見ると、和樹の後ろには竜太、慎一がいる。


「おう、お前ら、着いたんだな」


「おう、聡。どうだ、他のバンドは?」


竜太が言う。


「あぁ、何組かすげぇのがいるよ」


「今のバンド、かなり凄かったね」


慎一が割って入る。


「なんだよ、今の見てたのか?」


「最後の方だけな。反則じゃねぇのか、あのバンド?」


和樹が言う。


「マーブル……関西大会をトップで進出、全員十九歳の実力派バンド。三年連続全国大会出場、今年こそ優勝狙って……って、三年連続全国だってよ!ってゆうか、こんなバンドでも三年も優勝できねぇのか?」


「……竜太、何読んでんだよ?」


勝手にパンフレットを手に取り読み上げる竜太。


「ここにパンフレット置いてあったんだよ」


「なぁ、俺たちは何て書いてあんだよ?」


和樹が聞く。


「えーと……WORLD LINE、関東大会からは実に五年ぶりのスペシャルシートでの進出バンド。十九歳とは思えない曲調、演奏力に注目!だってよ」


「なんか……オッサンバンドみてぇなコメントじゃねぇか……」


少しがっかりする和樹。
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