天国からのメール
『聡……すごく嬉しいよ。私だって、メールしたいよ。でも、ダメ。本当に私のこと、想ってくれてるなら……明日の為に、頑張って。私のためにも、これからの聡のためにも。睡眠不足は本領発揮できないよ。』


そのメールを読み終えると、唇をギュッと噛み絞める聡。


『わかった。俺、明日絶対優勝するよ。だから、見ててくれ。』


そうメールを送ると、布団に飛び込み毛布を頭上まであげ、ギュッと目を閉じた。


明日で、綾とのメールが終わってしまう。


そう思うと、胸に沸いた感情が涙になって湧き出てしまう。


「綾……俺、綾と離れたくない……でも、そんなわがままダメだよね。俺……明日、絶対優勝するから。だから、最後まで……明日一日だけ、俺のそばで見守っててくれ。今までありがとう、綾。綾のおかげで、俺は強くなれた気がする」


メールでは言えない本音が声に出てしまう聡。


顔を枕に埋めると、無理に眠りについた。
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