天国からのメール
「さて!俺たちも、用意すっか!」


と、荷物をキャリーバッグへ詰め始める竜太。聡も詰める。


準備が整うと、竜太と聡は部屋を出た。


「竜太、忘れ物、ないよな?」


一応聡が聞く。


「バカ、ねーよ」


自信満々に答える竜太。


「と、思ったら、財布がねぇよ」


と言って、急いで部屋に戻る竜太。


「おいおい、しっかりしろよ」


いつもの調子の竜太に、少し面白く思う聡。


ロビーに着くと、和樹と慎一がいた。


「じゃあ、行きますか!」


竜太の言葉に、四人は会場へ歩き出す。


「いよいよだなー、全国大会!」


竜太が言う。


「頑張ろうぜ」


和樹が少し微笑んで返す。


会場に着くと、控え室に入る四人。すぐに、スタッフの人が来た。


「失礼します。大会出場の順番を決めたいので、代表の方こちらへ来てください」


「わかりました」


竜太が行く。全国大会も関東大会同様、くじ引きで順番を決める。


竜太が控え室を出た後、慎一がトイレに行った。


「竜太の奴、また一番とか引くんじゃねぇだろうな」


和樹が言う。


「まぁ、それはそれで別にいいじゃねぇか」


聡が答える。そのとき、竜太が戻ってきた。


「おう竜太、早かったな」


和樹が声を掛ける。


「ああ、十六番だ!」
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