天国からのメール
「WORLD LINE様、お疲れ様でした。明日、進出か敗退かの通知をお手紙でさせて頂きます。もし進出の場合は、三日後に関東大会がありますので、準備の方をよろしくお願いします」


「わかりました」


竜太がそう答えると、四人は楽器を持って会場を出た。


「楽しかったね!どうだった?」


慎一が言う。


「余裕。最初から地区大会なんか、眼中にねぇよ。本番は……次だ」


和樹が言った。


「そうだな。三日後、関東大会だ。もう練習の時間は明日とあさってしかねぇ。皆、体調に気をつけて練習頑張ろうな!」


「おう」


竜太の呼び掛けにメンバー三人とも答えると、四人は会場で解散した。


和樹は彼女の家に、慎一はバイトに、竜太は自分の家に帰った。


聡は電車に乗って二駅ほど離れたT市に行った。


駅を降りると、聡は歩き出した。


「はぁ……」


聡はなんとなくため息をつくと、アーケード街を歩いた。


しばらく歩くと、地味なうどん屋とカラフルなメガネ屋の間に細い路地がある。


聡はその路地に入ると、立ち止まって空を見上げた。


この場所は、聡の彼女、鳥山綾が死んだ場所なのだ。


蘇る、過去の記憶。
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