天国からのメール
その言葉に、少し微妙な表情を浮かべる二人。


「十六番……?」


「中途半端だな……」


「なんだよ、オハコって言うじゃねぇかよ」


「それ、十八番だよ」


「うるせぇ、何番だっていいじゃねぇか!」


そのとき、慎一が戻ってくる。


「あ、竜太、おかえり。何番だったの?」


「十六番だよ」


「え、微妙……一番のが、まだよかったよ」


「うるせぇ、うるせぇ!」


と、慎一の頭をポカンと叩く竜太。


「痛いよ」


慎一が叩かれた頭を撫でていると、スタッフの人が再び入ってきた。


「全てのバンドの順番が決まりました。こちらが、順番です。間違いないか、ご確認ください」


と言って、一枚の白い紙を竜太に渡す。


竜太は受け取ると、すぐに確認した。


「はい、間違いないです」


「では、まもなく一組目の本番です。WORLD LINE様のお席は、一階の十列目になっています。座席の後ろに『WORLD LINE』と張り紙を貼っているので、すぐにわかると思います。では、失礼します」


そう一礼すると、スタッフは控え室を出た。


「どうする?見に行く?」


慎一が聞く。


「そうだな、とりあえず行こうぜ。ここに居ても、やることねぇし」


竜太の言葉に、三人も賛同する。


四人は控え室を出ると、客席に向かった。


中は、すでに暗転している。まもなく始まるのであろう。
< 110 / 125 >

この作品をシェア

pagetop