天国からのメール
慎一がポカンとした様子で聞く。


「バカ、当たり前だろ!俺たち、出演者だよ!」


竜太が慎一の頭を叩く。


「痛いなぁもう、いちいち叩かないでよ……」


「おい、始まるぞ!」


和樹の言葉に、四人全員がステージを見る。


「では、いよいよ始まります!まずは一組目のバンド、SARU!」


MCのその声で、激しいBGMと共にステージの中心部が反転して、後ろから一組目のバンド、SARUが登場する。


「おぉー、すげー」


回るステージに、四人は声を合わせて驚く。


何から何まで初めてのことばかりだ。


「それでは聴いてください、影法師!」


そのボーカルの声と同時に、曲が始まる。


上手い。隙がない。完璧な演奏だ。


「おぉー、やっぱ全国大会はレベルが違うなー」


竜太が言う。


「そうだな、今までと比べものにならねぇ」


和樹が答える。


「大丈夫」


慎一の声。


「あぁ」


と、聡。自信に満ちた四人。堂々としている。


「ありがとうございます!」


ボーカルの言葉に、観客は盛大な拍手を送った。


「続きまして、二組目、NUMBER TIME!」
< 112 / 125 >

この作品をシェア

pagetop