天国からのメール
竜太の声に、予想以上の拍手が起こった。


「続きまして十七組目、シャープ!」


そのMCの声でステージが反転し、四人は再びステージ裏へと行った。


「お疲れ様です。楽器の方は我々が片付けときますので」


そうスタッフに言われると、四人は楽屋へ戻った。


「……どうだった?」


慎一が聞く。


「何か、わからねぇけど……もの凄く、気持ちよかった」


和樹が言う。


「和樹もか?俺もだよ。どんな演奏だったかなんて覚えてない、気持ち良過ぎて」


聡も言う。


「お前らもか?俺だって、気持ちよかった。あっという間だった」


竜太も同じことを言う。


「僕もだよ」


慎一がそう言ったとき、聡の携帯電話が鳴った。


綾からだ。


『聡!言葉にできないほど凄かった。どうしたの、急に?』


『え、そうだった?俺たち、気持ちよくて何も覚えてない……』


『みんなの心が、一つだったんだね。それこそ、音楽って感じだね!聡、すごく楽しそうだったよ。』


『楽しそうだった?なんか、恥ずかしいな……』


『恥ずかしがることないじゃん。きっと伝わったよ、見てる人みんなに。』


『それなら、よかった。』


「じゃあ、また見に行きますか」
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