天国からのメール
「いい。運命だ。あんたのせいじゃない。仕方ない」


怯える老婆に、聡は優しく言った。


「本当に、すまんかったの……」


老婆は申し訳なさそうに言う。


「だから、いいって。なぁ、ところで、あんたの占い……当たるのか?」


「あぁ。当たるよ」


老婆は申し訳ない面もちのまま、百パーセント当たるかのように自信に満ちた声で言った。


「何であんなに的確に当たるんだ?……なーんてな。もちろん、ただの偶然だろ?」


「……」


聡の問いかけに、老婆は俯いた。しばらくすると、顔を上げた。


「お前さんには悪いことをしたからの……特別に、教えるわい。わしは、どうやら未来がわかるらしいんじゃ。生まれたときから、その力を持っておった」


「おいおい……ありえねぇだろ?」


聡は、無理に笑顔を作って言う。


「嘘じゃない」


老婆は少しも目をそらさずに言った。


「もういいよ、婆さん」


「本当なんだよ」


「……だったら、何でこんな所で地味な占いなんかやってんだ?そんな予知能力があるなら、ボロ儲けなんか容易いことだろ」


聡は呆れながらポケットに手を突っ込むと、老婆の前にある客用の椅子に座った。
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