天国からのメール
「あ、聡君。元気にしてる?」


「あの、綾の携帯電話なんですけど、もう解約しましたよね?」


「うん、もうとっくに解約してるけど?あの子が亡くなった年に……」


「わかりました、ありがとうございます!」


「え、ちょっと……聡君?どうしたの?」


聡は一方的に電話を切ると、再び携帯電話のメールボックスを開いた。


すると、新着メールが一件きている。


綾からだ。


「何だよ……何なんだよ、これ!」


聡は泣きそうになりながらもメールを開いた。


『誰だって……私は、綾だよ。神様に無理言って、少しの間だけ天国からメールさせてもらってるんだよ。信じて、聡。』


そのメールを見て、わけがわからなくなった聡は、竜太に電話を掛けた。


プルルル、プルルル……


「……もしもし、聡?」


受話器越しに竜太の声が聞こえる。


「竜太か?」


聡は慌てて返事をした。


「おう。どうしたんだよ?」


「え?」


勢いで電話を掛けてしまった聡は、何て言っていいのかわからず黙りこんだ。


「何だよ?」


「なんか……差出人が綾って奴から、メールがきたんだよ……」


「は?」


「……だから、綾からメールがきた……」


「……お前、とうとう気でも違ったか?あさって関東大会だぞ。たった今、進出決定の手紙も確認した。わかってんのか」
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