天国からのメール
「本当なんだ!嘘じゃない!」


「怒鳴んなよ。いいか?よく考えてみろ。もう綾ちゃんの携帯は解約してんだろ?同じ番号やアドレスを使う奴がいても、おかしくないんじゃねぇか?」


「あ、そっか……」


聡は目が点になった。


「バカか、お前は。いたずらに決まってんだろ。よく考えろ。じゃあ、もう切るぞ」


「あ、ああ……」


「たちの悪いいたずらで許せねぇのはわかるけど、今そんなこと気にしてる場合じゃねぇだろ。気持ちはわからねぇわけじゃねぇ、でもそんなのほっとけよ。大会が終わったら、俺も犯人探し手伝ってやるから。明日の練習、遅れんなよ」


そう電話を切ると、聡は冷静になった。


「……そうだよ……そんなわけ、ねぇよ……」


少し残念な気持ちになったと同時に、再び激しい怒りがこみ上げた。


聡は、メールを『綾』に返した。


『……ネタは上がったぞ。綾と同じアドレスにしやがって。いたずらもほどほどにしろ。許さねえ。絶対つきとめて、ブッ飛ばしてやる!』


そう送ると、携帯電話を布団の上に放り投げた。


またも一分とかからないうちに、携帯電話が鳴った。


「もう見ねぇよ、お前のメールは」


そう呟き、聡は携帯電話を無視して布団に転がった。


「……」


ゆっくりと瞳を閉じる。


「……何だよ!誰だよ!」
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