天国からのメール
「俺じゃねぇよ!何で俺のせいにするんだよ!」


「お前じゃねぇと出来ねぇだろ、こんなこと!」


「とにかく落ち着けよ!何で俺なんだよ?」


「だから、とぼけんなよ!今、『竜太君もひどいね』ってメールが来たんだよ!何でこのメールの『綾』はお前と電話したこと知ってんだよ!お前が犯人だからだろうが!」


「違う!俺は犯人じゃねぇ!なんで関西大会二日前にお前を惑わすようなことしねぇとなんねぇんだよ!」


「じゃあ誰が犯人なんだよ!」


「知らねぇよ!だいたい、もし俺が犯人だったら、そんなわかりやすいマネしねぇよ!とりあえず、落ち着けよ!」


「もうわけわかんねぇよ……」


無造作に頭を掻き毟る聡。


「いいか?落ち着いて聞け。さっきも言ったけど、俺が今お前にそんないたずらして何になる?こんな大事な時期に。そんなこと、俺がするわけないだろ」


「……じゃあ何でこいつは俺とお前が電話したことわかるんだよ?」


「……」


黙ってしまう竜太。


「……おい、竜太!」


「……うるせぇな、今考えてんだから静かにしろよ」


「ああ……」


「……」


「……」


無言が続く。


「……なぁ、聡」


「何だよ?」
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