天国からのメール
「あ……お母さん、お久しぶりです」


聡は笑顔でペコッと頭を下げた。


「やっぱり、聡君だ。ちょっと見ない間に大人になって……元気してた?」


綾の母も笑顔で返す。


「はい、おかげ様で」


「そういえば、昨日の電話、何だったの?」


その言葉と同時に、再び昨日のいたずらメールの記憶が蘇る。


「……いえ、なんでもないです。すみません突然、変なこと聞いてしまって」


再びペコッと頭を下げる聡。


「あ、そうそう、携帯電話の話で思い出したんだけどね、綾の携帯、解約しても形見としてタンスの引き出しにしまってたのよ。でも、いつの間にかなくなっててね」


その言葉を聞いた瞬間、聡の表情はなくなった。


「え……どういうことですか?」


苦笑いをしながら聞く。


「さぁ……お父さんも知らないって言うし、どこいったのかしら……」


「そうですか……」


なぜかやたらと気になる聡。


「あ、じゃあ……また、近いうち遊びに行かせてもらいます」


そう一礼してそそくさとその場を離れた聡は、コンビニを出て自宅へ向かって歩きだした。


「どうなってんだ……占いの婆さんに良いことがあるって言われて……携帯電話がなくなってて……考えすぎか……?」


色々考えているうちにだんだん怖くなってきた聡は、恐る恐る携帯電話を取り出した。


「まさか……な……」
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