天国からのメール
「和樹!いいから今日は帰れ!」


竜太の言葉に、和樹はドアを蹴ってスタジオを出た。


「慎一……お前も、今日は帰れ」


竜太の言葉に、慎一も軽く頷きベースをしまいスタジオを出た。


慎一が出た後、竜太はスタジオの扉を閉めた。


「聡……」


「なんだよ!」


その瞬間、竜太の鋭い拳が聡の左頬をへこませた。


聡の背中は勢いよく後ろの壁にぶつかった。


「何すんだよ!」


「聡……どうしたんだよ、お前?何があったんだよ……」


「……」


「聡!」


「……なんでもねぇよ」


「なんでもねぇわけねぇだろ。まさか……昨日のことか?」


「……」


「話してくれよ……このままじゃ、マジで明日、落ちちまうよ……」


「……綾だったんだよ……」


「え?」


「昨日のメール……本当に、綾だったんだよ……」


「お前……」


「どうせまた気でも違ったとか言うんだろ?なんとでも言えよ!」


「……」


しばらく無言が続く。


「昨日のお前からすると……何か、確証があったんだな、メールの主が本当に綾ちゃんだったっていう……」
< 37 / 125 >

この作品をシェア

pagetop