天国からのメール
まるで、綾も含めた五人で大会に出ている……そんな気持ちになって、嬉しかった。


「俺、客席行って他のバンド見るけど……お前ら、どうする?」


竜太が言う。


「俺は、いいよ。疲れたから、ここで少し寝る」


和樹が返す。


「僕も、いい」


慎一も返す。


「聡、お前は?」


「俺は、行くよ。結果出るまで、暇だし」


関東大会からは、結果は全てのバンドの演奏が終わった後、その日のうちに会場で発表される。


そのため、自分たちが終わったからといって帰ることはできないのだ。


聡と竜太は客席に行くと、『WORLD LINE様』という紙が貼られている椅子に座った。


「おまたせしました、三組目は、前回惜しくも地区大会敗退したバンド、ラッシュです!」


次々にバンド演奏が終わる。


演奏を見つつ、聡は綾にメールを送った。


『今、他のバンド演奏を見てるよ。』


『私も一緒に見てるよ。あ、そうだ。聡達の次に出てたバンド、結構凄かったよ。』


『二組目のこと?』


『うん、ILAST ROCKってバンド。聡たちは楽器の片付けとかしてたから見れなかったけど、なかなかだったよ。』


『大丈夫だよ。例えそいつらに負けても、今回は上位三組に入ればいいんだから。』
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