天国からのメール
『慎一君、役者じゃないんだから……偽りの涙なんて、流せないと思うよ。これには、きっとわけがある。』


『わけって……どんな?』


『わからない……それをわかってあげるのが、メンバーでしょ?』


『……とりあえず、竜太に電話掛けてみるよ。』


『うん。』


綾とのメールが終わると、竜太に電話を掛けた。


「もしもし、竜太?」


「おう、聡か?どうした?」


「どうしたじゃねぇよ、慎一だよ」


「なんだよ、慎一の奴……もうお前にも言ったのか」


「なんでコンビニで会ったとき言わねぇんだよ、知ってたんだろ」


「慎一が、まだ他のメンバーには言わないでくれって言ったんだよ」


「……どういうことだよ?」


「わからねぇけど……俺は……今回のことには理由があると思ってる」


「理由って、どんなだよ?」


「だから、わかんねぇよ……でも、お前も思っただろ、慎一の様子が変だって……」


「いや、俺は……」


口をモゴモゴとさせる聡。


「とにかく俺は、まだ慎一がプロ目指してバンドやるって、信じてる」


「何を根拠にだよ?俺には、はっきりやめたいって言ったぞ」


「それって、慎一の本心か?」


「……え?」
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