天国からのメール
『もうこんな時間だ。とりあえず、練習に行ってくるよ。』


『うん、頑張ってね。』


練習スタジオに着いた聡は、扉を開けロビーに入った。


そこには竜太がすでに座っていて、慎一の姿はなかった。


「おす、聡。和樹の奴、今日ちょっと遅れるらしい」


右手を上げ、聡に言う。いつも通りの竜太。


「……慎一は?」


竜太にゆっくりと聞く。


「まだ来てねぇな」


「……来るのか?」


「……わからねぇ」


少しの沈黙。


「とりあえず、中入って準備でもしとこうぜ」


そう言ってスタジオに入る竜太。それに続く聡。


ドラムセットのセッティングをしていると、和樹がスタジオに入ってきた。


「ごめんごめん、ちょっと遅れた」


笑顔で言う和樹。


「おっす、和樹!やったなー、全国大会進出だぞ!」


竜太も笑顔で和樹に返す。


「俺、テンション上がって昨日は寝れなかったよ」


笑い合う二人。


「そんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!」


突然怒鳴り声を上げる聡。


「……どうしたんだよ、聡?なんだよ急に?」


不思議そうに聞く和樹。


「あれ?そういや、慎一は?まだ来てねぇの?」


キョロキョロと辺りを見渡しながら和樹が言った。
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