天国からのメール
そう言って、再びスタジオの中に戻っていく竜太。


ドアが閉まると同時に、綾からメールがきた。


『そういえば、話すことないよね……』


そのメールを見てふと気づいた聡は、メールを返した。


『綾、天国から慎一の様子を見れないの?』


そう送り、綾からの返信を待った。


綾が見てくれれば、全ての答えが出る。すぐに返信がきた。


『できるけど……それはしたくない。』


メールを見て顔をしかめる聡。すぐにメールを返す。


『どうして?それで全てが解決するよ。』


『だって、私は聡のこと応援したくてメールしてるんだよ。力になってあげたいよ?でも、そんなの反則じゃない。それに、私は本来いないんだよ。これは、メンバーの聡たちが解決する問題でしょ。』


『でも、そんなこと言ってる場合じゃないよ。』


『……見損なったよ。聡は、そんな人じゃなかったはずだよ……』


そのメールを見て、自分の頬をパンと叩き、首をブンブン振る聡。


『ごめん。今の、忘れて。何言ってんだ、俺……綾が天国にいることをいいように使おうとして……』


「自分たちの問題だ、自分たちで解決するのがスジだよな」


そう呟き決心すると同時に、スタジオの扉が開いた。


「聡、何やってんだ、練習するぞ」
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