天国からのメール
「また連絡する」


その一言だけ言って、自転車を漕ぐ聡。


すぐに携帯電話を取り出し、慎一の番号を押した。


プルルルル、プルルルル……


ガチャッ


「もしもし?」


慎一の声だ。いつも練習の度に毎日のように顔を合わせていたせいか、二日ぶりに聞いた声は懐かしい感じがした。


「もしもし……慎一か?」


わかっているが、聞く聡。


「うん……」


「お前……もう、プロとして活動する気はねぇのか?」


「うん……」


その重い言葉に、少し心が折れそうになる聡。


「そうか……。お前、これからどうするんだよ?」


「うん……これからのことはまだよく考えてないけど……適当に仕事見つけるよ」


「そうか……」


「……」


少しの沈黙。


「じゃあ、切るよ」


「慎一」


「……何?」


「お前、元気ないな。それは、俺たちに対する罪悪感か?それとも……」


「……うん?」


「本心じゃないからか?」


「え……」


耳をすます聡。


「多分……罪悪感からだよ……」
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