天国からのメール

「なんとか言え、慎一！人生はなぁ、一度きりなんだよ！そんな無難に終えていいのかよ！ここで……そんなつまんねぇことで諦めて、一生後悔してぇのか！」


「何やってんだ！」


そう怒鳴りながら駆けつけた父が聡の腕をつかむ。


「帰ってくれ」


そう言って聡の手を勢いよくぐいぐい引く父。


「あんた、何自分の都合を息子に押し付けてんだよ！リストラされたからって何だよ！また再就職すりゃいいじゃねぇか！たったそんなことで……ここまできて、ここまできて子供の夢を奪うな！」


「帰れと言ってるんだ！何も事情を知らない小僧が、知った風な口を叩くな！」


そう言って、どんどん玄関に引っ張られる聡。


手を振り切った聡は、再び慎一の部屋に走った。


「慎一！明日、朝九時の電車だ。場所はいつもの駅集合！遅れんなよ！」


そう言い捨てた聡は、追いついた父に再び腕を引かれ、外に放り出された。


仕方なく自転車に乗り、自宅へ向かう聡。


『俺、和樹や慎一と違って頭悪いから……ちゃんと伝わったかな、俺の言いたいこと？』


『しっかり伝わったと思うよ、慎一君の心に。』