天国からのメール
竜太は聡の瞳をみつめて言った。


「……わかってるよ、似てるって言っただけだろ。心配すんな。もう、去年と同じ失敗はしない。これがラストチャンスなんだ。綾が叶えてくれって言った、メジャーデビューの夢をつかんでやる」


「お、頼もしくなったな」


竜太はつかんだ手をほどき、聡の肩をポンポンと叩いた。


「おーい、何やってんだよ。本番前にケンカすんなよ」


二人に気づいた和樹が言った。


「何でもないよ」


聡は和樹に笑顔を見せると、竜太につかまれて伸びたシャツをパンパンと叩いて直し、楽屋を出て扉にもたれかかって呟いた。


「綾……見ててくれ。今年こそ、優勝するからな」


そのとき、スーツを着た女性が階段をカツカツと上がってやってきた。


「WORLD LINE様ですね?出番まで、後5分です。そろそろスタンバイをお願いします」


聡は拳をグッと握った。


「わかりました」


聡は楽屋の扉を開けると、メンバーを呼んでステージへと向かった。
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