天国からのメール
竜太が財布を落としながら電車に乗り込む。


「竜太、財布!」


竜太の財布を拾い、慎一が言う。


「バカヤロー、お前のせいで遅刻したんだぞ!持ってこい!」


「もう……」


そう言って慎一も電車に乗り込む。


その光景を見て、薄笑いを浮かべる聡と和樹。二人も電車に乗り込んだ。


「そういえば、どうやって親を説得したんだ?」


聡が慎一に聞く。


「え?黙って来たに決まってるじゃない」


笑顔で答える慎一。


「これで全国優勝できなかったら恨むからね、聡」


「バーカ、優勝するんだよ、そんなもん」


慎一の言葉に笑って答える聡。


「よし!こうなったら、絶対優勝するぞ!いいな、お前ら!」


竜太が両手を上げて大声で言う。


「おい、竜太、うるせぇよ。電車の中だぞ」


「知るか、バカタレ!これが落ち着いていられるか!」


と、和樹の忠告を無視する竜太。


聡は携帯電話を開いた。新着メール一件。もちろん綾からだ。


『よかったね、聡!』


『あぁ、綾のおかげだよ。』


『私は何もしてないよ。でもいいなー、私もその会話に入りたい。』


メールを見て、満面の笑みを浮かべる聡。


ふと三人を見ると、いつもの光景がそこにある。


それを見て、聡は幸せでいっぱいになった。
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