天国からのメール
「こいつら、リハーサルでこれじゃ……本番は、どれ程凄くなるんだよ……」


すぐに、綾にメールを送る。


『綾。すげぇバンドがいる。』


『うん、ILAST ROCKでしょ?』


『うん。なんだこれ……』


『聡……どうしたの?自信ないの?』


『いや、そういうわけじゃないけど……』


『聡は、自分のバンドを客観的に見れないからわかんないかもしれないけど……聡たちも、相当すごいんだよ。ILAST ROCKに負けてない。本当だよ。聡たちにも、聡たちなりの良さがある。ベストを尽くせば、優勝できるはずだよ。』


『……ありがとう、綾。』


「それではローランド様、曲を始めてください」


次のバンドのリハーサルが始まる。


ILAST ROCKを見た後だからか、あまり良いとは感じない。


次々とリハーサルが終わる。


「それではマーブル様、曲を始めてください」


と、その時だ。


激しい、先ほどよりももっと凄まじい鳥肌がたった。


凄い音圧、圧倒的なパワー、パフォーマンス。


音が爆弾のように響く。


プロとしか言えない演奏力。


どれをとっても完璧だった。


曲が終わると、聡は自分が口を開けているのに気づいた。


「強者ばかりだな、こりゃ……」


そう呟き、またしても綾にメールを送る。


『また、すげぇのが出てきたよ。』


『今のは、凄かったね。びっくりした。』


『大丈夫かな、これ……』


『だから、弱気になんないの!私がいるから、大丈夫だよー。』


『なんだそれ。』
< 99 / 125 >

この作品をシェア

pagetop