好きです、先輩。



涙がこぼれた。

弱い虫。
あたしは、弱い虫。

馬鹿。馬鹿馬鹿馬鹿。


あたし、自分の気持ちひとつ伝えられないんだ。
そんなに弱かったっけ。


「うぐっ…ふぇっ…ぐすっ…」

声を殺して泣いた。

窓を開けているクラスに聞こえちゃう。
風に乗って、届いてしまう。


もう、授業がどうとか、気にしてない。


二日連続でさぼっちゃったよ。
あたし馬鹿だな。


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