弱気な僕と死神娘

ひどく喋りにくかった。

まるで一週間も声を発さなかったかのように、久々に声を出す感覚だった。


(でも…喋れるぞ…。)


死んでないのか?
自分は今どういう状態なのか?
わからないことだらけだった。


「いつまで寝てんのよ」


死神が呆れ顔で言う。
そして、僕の手を引っ張り上体を起こした。


「ほら、目が覚めた?まったく手のかかる…」


死神は何やらブツブツと不満そうに言っていた。

よく見ると、その顔には少し照れがある。
頬が火照ったような感じが見てとれた。
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