弱気な僕と死神娘
もう僕は死んだ。
家族とも友達ともこれでお別れ。
気になっていたあの子も、二度と僕に振り向くことはないのだ。
しかし、不思議と悲しみはなかった。
なんだか頭がボーッとしたような…夢見心地な気分でいながら、しかし意識はハッキリしている。
そんなおかしな感覚が、僕を襲った。
「人間たちは幽霊だとか言ってるけど、今のあんたがそんな感じの状態ね」
「そっか…僕は今幽霊なんですね」
言われてみれば幽霊っぽくなった気がしないでもない。
試しに部屋の鏡をちらっと見ると僕の姿は写っていなかった。
こうして僕は本日、堂々の幽霊デビューを果たした。