シャッター
なにげなく開いたページだったが、視線を落とした瞬間光希は息を呑んだ

どうやら写真集らしい


それも本格的な壮大な風景の

それがあまりにも綺麗だった


よく撮れているのか素人の光希にもわかるほど


ため息がでるほど綺麗で癒されてしまう


とにかく自然をそのまんまのなんとも素晴らしくて、吸い込まれてしまうようだ


光希は少しの間それに見入って、ページをめくった


そのどのページの写真も素晴らしかった


写真など興味なんてなかった光希は自分でも驚くほど、すっかり虜になってしまった



周りを見て時計を探すと、店に入ってからもう1時間も経っていた


光希は本を閉じて元の本棚に戻そうとした時だった



「え…?」


光希の目についたのは、表紙の文字だった


表紙も中のものと同じように写真が貼られていた


光希は下の小さな文字を見て目を丸くした



"若松朝飛写真集"



「若松って…、嘘」


光希は驚きを隠せないまま、再びページを慌てて開いた


そうして最後のページのあるところに視線を落とす


「カメラマン…若松朝飛、大阪出身…、生年月日は…」

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