シャッター
―しかし

光希たちが話しているのに朝飛は注意がいってしまい


「あ!」


朝飛は言って、光希の席の横で足を止めた

そして目を丸くして光希を見た


光希は気づかれたのがわかり、苦虫を潰したような顔をした


「あんた昨日の子やろ?」


光希はそう言われたが、俯いたまま首をふった

「ひ、人違いです…」


「え、嘘やろ!そっかぁ、ここの生徒やったんやな。なぁ、あとで…」


朝飛がそう言いかけて、先生が口をはさんだ


「早く席つけ、若松。お喋りは休み時間にしろ」


そう言われて朝飛は頭をかいて先生に軽く頭を下げた


そうして言われた通り、後ろの席につく


光希はようやく安心してため息をついた


さりげなく周りを見ると、何人かが光希を見ているのに気がついた


今ので光希と朝飛が知り合いなのだと、すっかり思い込まれてしまったようだ


そのあと先生は手っ取り早くSHRを終わらせ、教室を出た


休み時間になると男子が朝飛の席を囲んだ


光希の席にも女子が少し集まり、先ほどのことを聞かれたが上手くはぐらかした


心もとない噂が広がるも、嫌だったし、彼と知り合った理由も説明したくなかった
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