未タイトル



日曜日


その日は大雨が降った為

エリの誘いがなしになった。


放課後でも土日でも
遊ぶ事が当たり前だった為

こんな昼間に家に居る事が 何だか珍しく思えた。



「はあ〜…落ち着く…」



ベッドでごろごろしながら 久しぶりの一人の休日をのんびり過ごす。



一人が一番いい



一人が一番ラク





撮りためた映画でも観ようと チャンネルに手を伸ばした時



「沙斗梨」



ドアの向こうから声がした。

私は不機嫌そうに なに とだけ答える。



「…ちょっといい?」


「なによ」



がちゃ とドアが開き お母さんが入って来る。

私はそちらに見向きもせず、テレビの電源を入れた


お母さんはベッドに寝転がる私を見つめながら言う。




「沙斗梨…お母さんの財布から、お金持っていった?」





どきりとした。



たった千円抜いただけなのに 何でバレたんだろう





無言の私にお母さんは



「…三万じゃ足りないの?」


と言う。


何も言ってないじゃん
勝手に犯人にするな


思いながらも
私はこくりと頷いた。



「じゃあ四万にするから、それで足りる?」


「…うん」



私の返事を聞くと
お母さんはさっさと部屋から出て行った。



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