未タイトル
「ねえ沙斗梨、山岡が 沙斗梨の事好きなんだって」
お昼休み エリの言葉で
私はお弁当の玉子焼きを喉に詰まらせてしまった。
「付き合っちゃえば?」
「いや…私山岡の事よく知らないし…」
同じクラスだけど 今まで一度も喋った事がない。
しかも山岡って 女好きで有名だった気が…
「山岡に頼まれたんだ〜助けると思って付き合ってやってよ」
助けるって…
付き合うってそういう事じゃないでしょ
「いいじゃん、山岡いい奴だしさ〜」
彩香も一緒になって煽ってくる。
いい奴と思うなら
あんたが付き合えよ
「いや…だけどさ…」
「私達友達でしょ?助けてくれたっていいでしょ」
エリがじっと私を見据える。
私はその目にたじろぎ
仕方なく頷いた。
山岡と付き合い始めたのは その次の日からだった。