未タイトル
「……おい」
ふと
頭上からしてきた声に 体が硬直した。
山岡だ…
見つかってしまった…
どうしよう…!
心臓がバクバク悲鳴をあげる
私はどうする事も出来ず
ただひたすら その場で俯いていた。
すると
「お前、こないだの健二の…」
……え…?
顔を上げてみると そこにはこないだ会った男の子が、私を見下ろしていた。
あ
確か 大地って人だ…
「何してんだ?腹でも痛いのか?」
私と同じ目線になるよう
腰を下ろす彼
急に近くなった距離
初めてきちんと合わす顔に 私はどきっとした。
吸い込まれそうな
意思の強そうな瞳―…
この人
やっぱりなんか惹かれる…
「…おい、大丈夫かよ」
ぼうっとしていた私は
はっと我に返って 思わず目を逸らした。
「だ、大丈夫…ちょっとめまいがして」
「危ねぇな 家まで送ってくか?」
「え!?」