未タイトル
「今日さぼるよ」
朝 待ち合わせ場所に行くと いきなりそんな事を言われた。
…エリ達とさぼるなら
学校に行く方がいいのに…
授業中は喋らなくてすむから
「あ〜さぼるって言っても暇だよね。なんかないの?」
エリが彩香をじろりと見ると 彩香は慌てて考え出す。
…彩香もばかだな
こんな奴の機嫌ばっかりとって
…って私も一緒か。
「うーん…と……って…あれ?」
頭を抱えていた彩香が
ふいに顔を上げて目をパチパチさせた。
エリが 何よ と言うと
彩香は通りの向こう側を歩く男の子3人組を指差した。
「あれ、中学の友達」
「まじ?声かけなよ。皆で遊ぼっ」
エリの目がキラキラ輝き出す。
この男好き
私は心の中で笑った。
エリのお願いを断れるわけもなく
彩香はその男の子達を呼び止めた。
「新山ぁ〜っ!」
彩香の声に気付き こちらを向いた男の子が
手を振って 私達の方へ近付いてきた。