白銀の女神 紅の王
その場だけの関係だとしても、女が出来ればデュークが興味を示し。
一目会わせろというから会わせてきた。
今回も一目会わせればいいのだ。
それでデュークは満足する。
しかし………
「誰がお前なんかに」
口を開いた拍子に出てきたのは否定の言葉。
思わず出た言葉に驚いていたのはほかでもない俺だった。
デュークも一瞬驚きに目を見開く。
「その様子じゃ余程惚れこんでるみたいだな」
「お前が思っている程甘い関係じゃない」
ニヤリと嫌らしい笑みを浮かべるデュークにムッと顔をしかめながら答える。
「ほう…それは尚更会いたくなったぞ」
顔をしかめた事が逆効果だったらしい。
コンッコンッ――――
しばし睨み合っていると、またも部屋をノックする音に話を遮られる。
「お、お話し中申し訳ございません」
「何だ?」
相変わらず怯えているのか、扉の向こうの家臣の声が震えている。