白銀の女神 紅の王



―――――真っ暗………


ここはどこ……?




見渡す限り、闇に染められた場所にポツンと立つ。

足元はフワフワとしていて、浮いているような感覚。




『誰かいないの……ッ?』

声を大きく張り上げるが、返ってくるのは無音。


『誰か……ッ!』

闇の中をひたすら走り続け、叫び続ける。



一人は…嫌……


寂しい……


すると、ぼんやりと僅かな光が見える。


その僅かな光をたどって、無我夢中で走って行けば…



『お父様…お母様……』

そこには、こちらを向いてにこやかにほほ笑む父と母がいた。


これは夢……?

お父様とお母様が手招きをしながら、私に微笑みかけてくれている。

夢でもいい。

お父様とお母様の元へ……



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