白銀の女神 紅の王
「宴の時フォレスト伯爵の心だけが読めませんでした」
心が読めない…
その事実を伝えた時のシルバの反応が怖かった。
なぜなら私は反逆者を見つけ出す為にここにいるのだから。
その使命さえ全う出来なかった事を知ったら、シルバはどう思うだろうか…と考えた時に、一瞬言うのを躊躇った。
けれど、どうせ後からバレてしまうのなら、早く伝えておいた方が良い。
そう思って続きを伝えるために口を開いた。
「フォレスト伯爵の心だけは、何のイメージも流れてこなくて…。何故かは分からないけれど、見えるのは真っ暗な闇だけでした」
フォレスト伯爵の心を読んだ時を想い浮かべながら話せば……
「そうか。後はこちらで調べる」
「そう…ですか」
意外にも、あっさりとしたシルバの返事。
てっきりお咎めがあるのかと思っていた。