白銀の女神 紅の王



「あぁ。お前が俺の為に力を尽くす限り奴には手を出さない」


良かった……



シルバの言葉にほっと安堵する。

私がここに連れてこられたのは人の心を読む事が出来る能力があるから。

その存在意義があることを前提にジェスの命も守られている。

だから私は力を使い続けなければいけない。

ジェスの為にも、もう失敗は出来ない……



「ありがとうございます」

ジェスに手を出さないと言う言葉をシルバから聞く事ができ、ふっと緊張が解けた。




「行くぞ」

シルバは私の言葉に応えることなく背を向ける。

やっぱり怒っているんじゃないのかしら……



「あっ!ちょっと待ってくださいシルバ!」

足早に出て行こうとするシルバにウィルが焦ったように声を掛け、シルバの後に続く。



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