白銀の女神 紅の王
考えられる原因など一つしかなく…
本当に忙しいとしても意図的に忙しくしている感が否めない。
それにあの突放すような視線。
元々他人を遠ざける鋭い紅の瞳に一睨みされれば、誰だって避けられていると感じるはずだ。
端から見ても避けられていると思うのだけれど…
ニーナは「気のせいですよ」と言う。
本当に私の思い込みなのだろうか……
思い込みならいいのに…と心の隅で思ったのは気のせいだ。
ニーナがいう事はもう数日すれば明らかになる。
意図的に避けられているのか。
それとも本当に公務で忙しいのか。
分かったところで何をするわけではないけれど。
それでも避けられている理由が知りたいと思うのは、この状況が居た堪れないと感じているからで…
シルバ本人に理由を聞く勇気もなければ、あの瞳が怖くて視線を合わせる事も出来ない私はただ待つしかない。
シルバが視線を合わせてくれるその時まで―――