白銀の女神 紅の王
3章 闇の組織の暗躍
動き始めた闇
「はぁ……」
あれから更に一週間が過ぎた。
朝の能力チェックはもちろんの事。
ニーナとの能力チェックで明らかになったことがある。
どうやら人の心を読むごとに体力が奪われ、その限界値を超すと気を失ってしまうようだ。
試している時もも危うく倒れそうになった。
けれどニーナとの能力チェックでだいたいの限界を知ることができた。
次に自分の能力が試される場を与えられたとしても、もう倒れたりしない。
………のだがそれを試す場がない。
そう…やはりシルバに避けられているのである。
能力を使わせるために連れてきた本人に避けられていたのでは、それを使う場もないのは当たり前の事。
今日で十日目……
もう公務で忙しいという理由は通用しなかった。
「はぁ……」
何度目か分からない溜息が後宮に響く。