白銀の女神 紅の王



「エレナ様……」


一週間前あんなにも励ましてくれたニーナもすでにかける言葉を失くしてしまったようだ。


ニーナが黙るのも無理ない。

シルバは一週間で一度も後宮に顔を出さなかった。



やっぱり私を避ける理由は公務なんかじゃない。

私自身なんだ………




チクン――――

僅かだが確かに胸に刺さる痛みを感じる。


シルバは私たちが城下に行った日から避け始めた。


城下に行った日私は何か取り返しのつかない事をしてしまったのかしら…

お金で買われた身分で城下へ行ったことが気に障ったのだろうか。

それとも何も言わずに行ってしまったことに対して?


いくら考えても答えは出てこない。


もう…私の体調は戻ったのに……


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