白銀の女神 紅の王
そこでハッと息を飲む。
わたし……なにを……
頭の中に浮かびあがった考えに困惑する。
思ってしまったのだ。
体調は戻ったからもう力を使える。
私はいつでも貴方の命に従う準備が出来ているのにと。
これではまるで自ら能力を使う事を望んでいるみたいじゃない……
私はシルバに能力を使う事を強いられていたんじゃなかったの?
何でこんな……
胸のもやもやとした曇りが晴れない。
分からないからこそ苦しい。
胸を抑えてキュッと服を握りしめていると……
「エレナ様?どこか体の調子が悪いのですか?」
就寝の準備をするニーナが心配そうにこちらを伺ってくる。