白銀の女神 紅の王
少女がその変化に気付いたのは10歳の頃。
少女は人の心が読めるのだと気付いた。
その時は幼心からその能力で皆を楽しませたい、という純粋な気持ちだけで使っていた。
しかし、能力を使うたびに気持ち悪がられ、気付いた時には少女の周りには誰もいなかった。
両親は少女の能力を気味悪がり、少女もまた両親が自分の能力に気味悪がっていたことに気付いていた。
そしてそれは突然来た―――
夫婦に次の子供が授かると、途端に少女は売り飛ばされた。
愛されたくとも、愛されず。その能力を持ったが故に、悲しい運命に巻き込まれる。
これはそんな孤独な少女の物語。