白銀の女神 紅の王
「そんなに真っ赤な顔で否定されても説得力がないのですが……。」
溜息をついて、呆れ顔のニーナ。
「本当に違うんだから。…というか、なんでニーナが私の心を読むのよ。読むのは私!」
顔を赤らめたまま、ムキになって反論するも―――
「分かっていますが、そのご本人が先程からぼーっと何やら考え事をしていて、私の心を読んで下さらないんですもの。」
ニーナは両手をあげて、お手上げ状態…と言うような仕草をする。
「うっ………。」
言い返す言葉もない。
そう、今はいつもの能力チェックの時間。
ニーナが朝食に食べたいものを当てなくてはいけないのだが、別世界に思考が飛んでいたため、全く分からない。
先程勢いで啖呵を切ったのが恥ずかしくなる。
「もう一度お願いいたします。」
恐縮しながら言えば、しょうがないですね…とニーナ。
暫く二人目を合わせた後、耐えきれなくなり、クスクスと笑った。