白銀の女神 紅の王
囁きかける者
翌日の朝――――
温かい……
夢と現実のはざまで揺れる意識。
その中で知覚したのは、温かい手触り。
そして……
ソファーって、こんなに柔らかかったかしら……
自分の体を包む柔らかな感覚に、また夢の世界へ落ちそうになるが。
天窓から差し込む光が、もう起きろと言わんばかりに照らす。
目を閉じていても感じるその光に導かれる様に、段々と意識が覚醒していく。
「んっ……。」
ふるふるっと睫毛を震わせ、瞳を開けば――――
「えっ…………。」
ぼやけた視界の向うに見えたのは、真っ白なシーツ。
ここは、ベッド……?
仰向けになれば、天蓋が目に入り、やはりベッドに寝ている事を確信する。
なんで……?
確か、昨日の夜、最後に記憶があったのはソファーの上。
なのに、どうやってベッドまで移動したのか。
まだ覚醒しきっていない頭で考えていると――――