白銀の女神 紅の王
王城を出て暫くの後―――
未だ、城下へ続く道を歩いている。
「本当に迎えの人はいるのかしら……。」
人一人いない道を歩きながら、不安が零れる。
王城の正門から城下へと続く道は、広く、人通りも多いが、裏門から城下へ続く道は、狭く、深い森に覆われているので昼間でも薄暗い。
到底人がいるとも思えず、不安になる。
けれど、もう後戻りは出来ない。
あそこに、私の居場所はなくなったのだから……
自分を奮い立たせながらも歩を進めていると……
カサッ――――
「ッ……!」
道の脇から聞こえた物音にビクッと体を震わせて、音が聞こえてきた方に向く。
「誰か…いるの……?」
カタカタと震える手を抑えながら、薄暗い森に向かって声をかける。
ガサッ――――
「きゃっ………。」
再び聞こえた不穏な音に、目を逸らす。
自分の身に襲いかかってくるだろう事を予想していたけれど…
しかし、いくら経ってもその衝撃はこない。
恐る恐る目を開いてみると―――