白銀の女神 紅の王
「貴方がこの人たちのボスなの…?」
「いかにも。」
恐る恐る聞いた事柄は、胸を張って、誇らしげに肯定された。
それは、フォレスト伯爵と分かってから、何となく予感していた事だった。
宴の夜から、この人には“何か”あると思っていたから……
「貴方達は一体何者なの…?」
ひっそりと息をひそめるように、小さな部屋に集う黒い集団。
嫌な予感しかしなかった――――
そして、フォレスト伯爵は、私の不安を煽る様な笑みを浮かべ、口を開く。
「前王アイザックス様の忠実なる部下…と言えばお分かりになりますか?」
「ッ………!」
それは、前にも聞いた。
宴の夜に……
けれど、その時と今では、意味合いが違った。
この状況と、今の言葉。
それが指し示す答えは一つしかない――
「反乱分子………。」
それでも信じたくなくて、半信半疑で呟いたけれど…
「そんな聞こえの悪い。私達は、あの男から王位を取り戻すだけですよ。本来ならば、次の代の国王は私だったのですから。」
目の前の嫌らしい笑みを浮かべた男は、隠すそぶりもなく認めた。
そんな………
私は、よりにも寄って、反逆者達に攫われてしまったの?